夏の風物詩、灯籠流し。夜の川をゆらゆらと明かりのともった灯籠が流れていく様はとても幻想的で美しい。だが、流された灯籠はその後どうなるかご存知だろうか。日本の場合は、密かにスタッフが下流でスタンバイ! 流れてくる灯籠をひとつひとつキャッチ、地道に環境に配慮している。

灯籠流しの際、環境へ配慮するのは台湾も同じ。だが、灯籠の回収に人員は要しない。なんと台湾では「溶けて魚のエサになるエコ灯籠」を開発、すでに実用化されているというのである。

エコ灯籠が使用されているのは、台湾・東部の花蓮県。同県では、毎年地元の寺院・勝安宮(しょうあんぐう)と「国際観光文化祭り」を共同開催。期間中、灯籠流しが行われている。花の形をしたお皿に灯のともったロウソク。数千もの灯籠が、参加者の願いとともにゆったり海に流れていく様は非常に美しい。

しかし、この灯籠がタダモノじゃなかった。

一見普通の灯籠だが、ロウソクは植物性の素材。花の部分には小麦粉、ジャガイモ粉、トウモロコシ粉等が使われいる、それも宇宙食の材料・技術を使って開発しているそうだ。

伝統的な形をしておいて実はハイテク。従来のものより軽く浮きやすいだけでなく実はエコ。しかも水に溶け、溶けた後は魚のエサになるらしい。これなら川を汚す心配もなければ、スタッフが下流でスタンバイする必要もないぞ。

「エコ灯籠」は4色展開だ。黄金色は「万事平安」、赤は「商売繁盛」、ベージュは「無病息災」、そしてピンクは「縁結び」を意味する。勝安宮で参拝した後、それぞれ自分の願いを込めた色の灯籠を川に流すのである。

灯籠流しは8月20日までの毎週土曜日に体験できる。連日多くの観光客が訪れており、大賑わいだそうだ。

花蓮県知事も「エコ灯籠によって、環境への影響を心配することなく伝統行事が行える。エコ灯籠はもはや花蓮の名物ですよ」と祭りの盛況さにホクホク顔。

エコ灯籠は環境だけでなく、観光業にも明るいニュースをもたらしているようである。

参照元:Facebook 花蓮勝安宮聯合新聞網(中国語)