海外旅行に行った際、絶対にやるのが写真の撮影。記念として。あとで旅を思い出すため。取材のためという人もいるだろう。いずれにせよ、うまく撮れた方がいいに決まっている。持っていくカメラも、性能のよい、最新機種に近いモノが良いだろう。

最近は、コンパクトデジカメなみの小さいボディに、一眼レフなみの性能をもったデジカメが山ほど販売されている。軽くて小さくて高性能。まさに旅にはもってこいのカメラである。

だがしかし、発展途上国の写真。特に人物写真で「いい顔」を撮りたいのならば、デカくて説得力のある、いかにも一眼レフといったデジカメが望ましい。大きいほうが良いのである。それはなぜか?

例えば世界最大の人口密度を誇る国・バングラデシュ。見渡すかぎり、人だらけだ。そして彼らは、こちらをまじまじと凝視している。あまり観光客の来ないバングラデシュでは、海外からの旅行者が珍しいのである。

とにかく視線を感じるバングラの都市。気の弱い人ならストレスで発狂しそうになるほどだ。しかし、デカい一眼レフカメラを持っていたらどうなるのか? 彼らは「カメラマンがキタ!」とばかりに、「俺を撮ってくれ!」、「こっちに来てみろ! いい写真が撮れるぞ、きっと」と、次々とシャッターチャンスを与えてくれるのである。

市場に案内され、市場じゅうの人たちを撮影するハメになったりもするが、画像データとして記録された彼らの顔は、信じられないほどに「いい顔」で、実に自然な「いい絵」になっている。

そこに「ちょっと、勝手に写真なんて撮らないでください」という人は見当たらない。もしもこれが、手のひらサイズの小さいカメラだったらどうなるか。おそらく、パッと見で「カメラを持った外国人」とは認識されず、ここまで楽しげに、自らすすんで写真を撮らせてはくれなかったはずだ。

しかしながら、大きなカメラが弱点になる場面も、シーンによっては発生する。ということで超コンパクトなデジカメと、そこそこ大きい一眼レフの二刀流をオススメしたい。

写真:ロケットニュース24
















撮影地:バングラデシュ・チッタゴン(Chittagong)