この記事の写真は、温暖化対策のために宇宙空間に設置された「巨大反射シールド」だ。これで太陽光線をさえぎってしまえば、温暖化した地球を冷やすことができる、という仕組みだ。

しかし、こんな巨大なものを建造できるのだろうか? そもそも、費用はどのくらいかかるのだろうか? 小学生でも思いつきそうな、このトンでもないアイデア。実はこれ、国連機関「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)」のアイデアだというから驚きだ。

近々ペルーで開かれる国際環境会議に先立って、英ガーディアン紙にリークされた情報にあったのが、この巨大反射シールドを含む一連の「ジオ・エンジニアリング」の手法だ。

ジオ・エンジニアリング(地球工学、気候工学)とは、地球温暖化対策として、環境に対し直接、意図的な手を加えることをいう。その根底にあるのは、もはや温暖化は不可避であるから、人間の手を加えることで積極的に環境を修正していこうという考えだ。今回漏えいした情報のなかには、次のようなものも含まれていた。
 
1.  成層圏に硫酸エアロゾルを散布し、太陽光線を宇宙にはね返す
2.  鉄粉を海にまいて、海洋微生物の光合成を促すことで、CO2を吸収する
3.  船を利用して海水を巻き上げ、雲の太陽光線反射率を高める
4.  砂漠に反射シートを敷いたり、家屋や道を白く塗ったりすることで太陽光線の吸収を防ぐ
 
やはり自然に人類が手を加えることで思わぬ副作用も出てくることが予想され、このような手法を懸念する声も多い。しかし「成層圏での硫酸エアロゾル散布」は、噴火による気温低下のメカニズムを忠実に真似たもので、効果が期待されている。

そして、巨大反射シールドのアイデアは、地球と太陽の中間地点(ラグランジュ・ポイント)に無数の円盤状のミラーからなる巨大反射シールドを置き、太陽光線を宇宙に反射するというものだ。

建造費用は莫大なものになるだろうが、他のジオ・エンジニアリングの手法に比べて副作用がずっと少なく、その予見もしやすいとされる。さらにシールドは操作可能のため、太陽光線の照射量や場所をコントロールすることができる。実は、こちらもかなり期待されているのだ。

それにしても、これらが国連によりマジメに検討されているとすれば、もはや国連は各国の合意に基づいた温暖化対策をあきらめたのだろうか……? 温室効果ガス削減よりも、技術的な解決の道を選んだのかもしれない。21世紀、人類はいよいよその科学力で大自然の支配に乗り出しそうだ。

参照元:DailyMail, Guardian(英文)

▼船を利用して海水を巻き上げ、雲の太陽光線反射率を高める