近頃、都心でよく見かける「猫カフェ」。石碑こそないものの1998年に台湾で開店した「猫花園」というお店が発祥だそうで、本場・台湾では増えすぎちゃって淘汰の兆しすらあるほど。

野良猫がうじゃうじゃいるというだけで、大勢の観光客が押しかけるようになってしまった郊外の田舎町「猴硐」しかり、猫好きの間で台湾は「特別な国」である。そんな台湾で、またも新たな猫ビジネスを発見!

台北から電車とバスで約二時間のところにある山あいの町「九份(きゅうふん)」。日本統治時代の街並みが残るひなびた集落として知られ、「千と千尋の神隠し」のモデルになった場所としても有名なバリバリの観光地だ。

バスの停留所からメインのアーケードをひたすら歩き、歩いて歩いて歩き疲れた頃に交差する、階段状の「豎崎路(スゥーチールー)」をほんのちょっと登ったところに、奴らはいた!

ほう、民家の前に、白やら黒やら縞々やら……。数匹の猫がたむろっている。

猫たちの背後には木製の台、シリアルの缶を加工した手作りの募金箱とエサ箱が並んでいる。雨でぐしゃぐしゃに滲んだ張り紙には──

鑑賞、猫ちゃんの撮影、無料!
1.缶の中に10元(30円)入れるべし
2.猫の餌をひとつ取るべし
3.袋を開けて、猫と仲良くなろう

みたいなことが書いてある。

猫の前には5〜6人の観光客が群がり、写真撮影に精を出していた。監視員の姿は見当たらないが、皆、真面目に小銭を入れている。一日50人が10元ずつ入れたとすると、ひと月約4万円の副収入! これが本当の招き猫。俺もやろうかなぁ……。
(取材・文=クーロン黒沢

▼展望抜群 台湾屈指の観光地「九份」

▼台湾人のほか、日本人を筆頭に外国人もひっきりなしにやってくる

▼展望台近くに、奴らはいた!

▼意外なところにビジネスチャンスが!