日本と違って、台湾はペット禁止の賃貸マンションや賃貸アパートがあまりない。乗り物も商店も、比較的ペットに寛容である。だからというわけでもないが、犬、猫を連れた人とよくすれ違う。

人間さながらの服を着せ、アクセサリーを付けたりといった擬人プレイが盛んなのも日本と似たり寄ったり。今回紹介するのは、そんな「ペット擬人化」が行き着くところまでいったお店。

その夜、私は台北市内の少しマイナーなナイトマーケット、「通化街夜市」を訪れた。タクシーで基隆路を走り、夜市のある臨江街の交差点で車を降りる。この一帯はペットショップが多く、夜になると煌々と照らされた子犬や子猫を見に、大勢の動物好きが集まる。

端の店から順番になめるように眺めていると、ペットショップだらけの一角に、妙な惣菜店を発見した。

小洒落た店内には、数十種類の惣菜がトレイの上にこんもり盛られ、整然と陳列されている。どうでもいいけど店構えがおしゃれな割に、惣菜の色合いがどれも泥っぽいというか、鮮やかさと無縁なのが気になって仕方ない。

……と思いきや、さっきから犬猫の映像ばかり流している入口脇のテレビが目に止まり、背中に電流を感じた。そうなんです。これ、人間用じゃないんです!

こちらのお店「派特芙德寵物食品」は、無添加・無香料の犬猫惣菜を販売する専門店。

日持ちのする乾燥系から生鮮系(100グラム180円〜)まで種類も豊富。台湾旅行の際は、留守番のワンちゃんに寿司ドッグフードのお土産なんて、いかがでしょうか? 犬が喜ぶかどうかは保証しませんが。

Pet&Food 派特芙德寵物食品小舖
台北市基隆路二段128號(臨江夜市口)
(取材・文=クーロン黒沢

▼あらーっ、美味しそうなお惣菜!

▼おしゃれで明るくて上品な店内

▼どう見ても、ちょっとスカしたお惣菜屋さん。テレビの映像に注目

▼看板見たときは流石にショックでした

▼犬が喜ぶとか、そういう次元ではなく、完全なる自己満足の世界