先日、「巨乳」と「貧乳」の間の呼び方についてミーティングを行った、当編集部の「胸にはうるさい」メンバー。前回のミーティングが持ち越しになったため、中間の乳の呼び方について改めて熱く議論が交わされた。しかし議論はメンバー間の考えの相違から平行線を辿り、なかなか結論に達しようとしない。

そんななか、最若年のZ氏がひとつの疑問符を投げかけた。

「大体おっぱいってなんだよ! なんでおっぱいなんだよ!」。

普段大人しい彼は、もう我慢できないといった様子で、悔しさをにじませながらそう叫んだのだ。確かにそうだ、「おっぱい」ってなんだ。私(褌シメタロウ)をはじめ、他のメンバーもこの一言に目が覚める思いがした。そこでおっぱいの語源について考えてみたのである。

そもそも、おっぱいの語源には諸説あり、ひとつの答えというのは存在しないようだ。語源由来辞典には、次のようにある。
 
【おっぱいの語源とされる説】

1.「ををうまい(おおうまい)」が約まったとする説
2.「お腹一杯」の「いっぱい」が転じたとする説
3.中国春秋時代の学者王牌(おうぱい)が転じたとする説
4.古代朝鮮語で「吸うもの」を意味する「パイ」からとする説 (引用ここまで)
 
なるほど、いずれも当てはまるような気もするし、あてはまらないような気もする。3番以外は口に入れる前提というのも気になる。語源を確かめたことにより、メンバーの悩みはさらに深まる結果となってしまった。

誰もが沈黙に疲れ始めた頃、自らをおっぱい上級者と自負するS氏が「ちょっといいですか?」と口を開いた。

「麻雀で『盲牌』って言葉があるよね。牌を見ずに目を当てることなんだけど、多分暗闇で女性に触れることも、盲牌って呼んだんじゃないかな? うん」

突然麻雀の話を始めたのに、全員が驚いた。「Sさん、今、麻雀関係ないでしょ!」と、苛立ちから大きな声を上げるZ氏。しかし私はそれを制して「構わない、続けてくれ」と、さらに意見を求めた。

「うん。暗闇で触るのは盲牌、表立って堂々と触ることを『表牌』って呼んだと仮定しますです~。それで、『おもてぱい』→『おもぱい』→『おぱい』→『おっぱい』と来た感じかな、うん」

なるほど、説得力がある。この意見にメンバーは一瞬どよめいた。しかし何かが足りない。堂々と触ることを「おもてぱい」と呼んだと仮定しているところが、やや苦しい。そこで、今度は私の意見をぶつけてみた。

「俺はこう考える。『お椀型』と呼ばれる乳があるわけだが、それは本当は『杯型』だったんじゃないかな。『御杯』が転じておっぱいになったのではないかと。ちなみに杯を酌み交わすことを『杯事』という。これは性交の隠語だったと想像する」

我ながらなかなか秀逸な結論に達した。これでみんな納得するだろうと思ったのだが、思わぬ反論を受けてしまった。メンバーに言わせれば、夢がないそうだ。

かくして、今回も結論を見ることはなく、おっぱいの語源に関するミーティングは持ち越しとなった。いったいおっぱいはどっから来たのか、そして我々はどこに行こうとしているのか。謎は深まるばかりだ。

文:褌シメタロウ
参照元:語源由来辞典