人間の休息にとって欠かせない睡眠。しかしその量を間違えれば、自分の脳を老化させてしまう可能性があり、最大で7歳も老化してしまうという。

この発表を行ったのはユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの科学者たちで、彼らは35歳から55歳の男女5431人を対象に、5年間の睡眠時間の変化が、認知機能にどう影響するかについて調査をしたのである。

彼らは被験者の認知機能について調べるため、「記憶力」、「推論能力」、「語彙力」、「音素の流暢能力」、「意味論的流暢能力」、「全般的認知状態」の6つの項目に関するテストを行った。

すると、5年間で睡眠時間が8時間より多くなった人の7~8パーセントの人が、短期の言語記憶力以外、すべての認知テストにおいて点数が下がった。また、睡眠時間が6時間より短くなった男性の18パーセント、女性の15パーセントが、推論能力、語彙力の点数が下がるという結果に。

そして、推奨されている7時間睡眠を行っている人たちは、すべての認知テストにおいて最高点をたたき出しており、毎晩6時間寝ている人たちがそれに次ぐ結果となった。

今回の調査を行ったジェーン・フェリエ博士は「私たちの計算によると、これらの睡眠の変化がもたらす認知機能の低下は4歳から7歳の老化に値します」と話し、適度な睡眠の大切さを強調している。

また、イギリス睡眠学会の学長ジョン・シニアソン氏は今回の調査結果を受けて、次のように述べている。「睡眠は食べ物にとても似ています。なぜなら摂取する量を減らし過ぎすれば、自分にとって悪影響をもたらし、また摂りすぎても害を及ぼすからです。睡眠は脳細胞が老廃物を取り除くのを助けたり、活動のためのエネルギーを蓄えたりと細胞レベルで2つの利益をもたらします。さらに、睡眠には記憶を定着させるという大切な役割もあるのです」

今回の調査を見たところ、やはり7時間睡眠が一番脳に良さそうである。言い換えるなら、寝不足はもちろんのこと、寝だめなどの過度な長時間睡眠も脳には良くないということ。何事も適度にやってこそ、効果が得られるということなのだろう。

(文=田代大一朗

参照元:Telegraph(英文), DailyMail(英文)