3月11日に起きた東日本大震災。あの日以来、テレビやネットでは様々な映像が報じられてきた。その中でも、多くの人が見た光景といえば、震災直後に上空から津波を映した映像。そして夜間に報じられた、気仙沼市が火の海になっている空撮映像(陸上自衛隊による撮影)ではないだろうか。

今回紹介するのは、まさにその時、その場所である気仙沼市で撮影された貴重な映像、その名も「津波にのまれた気仙沼中央公民館より」シリーズである。

動画サイトYouTubeにアップされている映像は、全5本。長いものでは1分、短いものだと約10秒。おそらく気仙沼中央公民館から携帯電話で撮影された映像であろう。

1本目の動画には津波によって水浸しになった気仙沼市の光景が。多くの人が屋上に避難している。2本目の動画には、遠くの場所で火事が発生し「火がこっちに来そうだ……」と心配する声が収録されている。そして3本目には、見渡すかぎり火の海と化した信じられない光景が。

「やばい……はやいな火が」
「ここの家もじき燃える……」
「やばいぞこれ……」

回を重ねるごとに深刻さを増す状況。そして4本目になると、あたり一面は完全に火の海に。

「うわ、こっち来るよ……」
「やばいよ、火の海だよこれ……」

5本目では、真っ暗闇の中、燃え盛る炎だけが映しだされ、寒さに耐える撮影者の息の音が収録されている。地震と津波、そして火災と寒さ。撮影者は想像を絶する恐怖だったことに違いない。二次災害の恐ろしさを後世に伝える、大変貴重な映像である。

参照元:YouTube ono999dera