取材班は4月上旬に福島県双葉郡浪江町を徹底取材したのだが、非常に困ったことがあった。放射性物質や放射線が恐ろしいのはもちろんだが、それと同じくらい「ソフトバンクケータイが通じない」ことに恐怖を感じた。

浪江町は福島第一原子力発電所から5~20キロ圏内にあり、取材班は置き去りにされた犬や猫などの動物たちの実態を取材。動物保護団体に同行して取材をしていたのだが、とにかくソフトバンクケータイは電波がまったく通じない。

記者はソフトバンクケータイのiPhoneとiPad、そして日本通信(ドコモ)のiPad2を持って浪江町で取材をしたが、日本通信のiPad2以外電波を受信できなくなった。しかも、他のスタッフも全員ソフトバンクケータイという危機的状態であることが判明。他の場所で別行動をしているスタッフと連絡を取ることができなくなってしまったのだ。

原発からやや離れた南相馬市小高区でもソフトバンクケータイが使えず、仕方なくiPad2の『Skype』を起動させ、他のスタッフに連絡を取ることができた。緊急時にソフトバンクケータイが使えないということは、万が一のとき、救出を呼ぶことができないということになる。これは不便というレベルの話ではなく、命にかかわる重大な問題である。

福島第一原子力発電所はもちろん、浪江町は非常に放射性物質の濃度が高いとされているので、立ち入る人たちは少ないかもしれない。しかし、どうしても原発から半径20キロ圏内に入るという人は決してソフトバンクケータイを使用してはならない。新規契約してでも、ドコモのケータイを使用すべきである。

ソフトバンクモバイルの代表取締役社長・孫正義氏は被災地に100億円を寄付し、引退するまでの報酬も寄付すると発表した。しかし、こういうときにこそ必要なケータイが使えない状況をいち早く改善してほしいものである。

また、この状況は浪江町や福島第一原子力発電所付近だけの話ではない。多くの被災地でドコモは使えてソフトバンクが使えない場所があるという。ドコモも、浪江町の半分ほどの地域で使うことができなかった。被災地でケータイが使えない、それは、命を危険にさらす状況であることも忘れないで欲しい。

今回は、ボランティアや仕事でどうしても浪江町や福島第一原子力発電所付近に行かなくてはならない人たちのために、この情報をお伝えした。決して、おもしろ半分でこの地域に行ってはならない。

写真: ロケットニュース24.
Correspondent: Kuzo