2011年4月上旬、放射性物質の濃度が高いとされている福島県双葉郡浪江町を徹底取材した。福島第一原子力発電所5~10キロ圏内の実状をお伝えしたいと思う。

取材班は、『アニマルフレンドシップ』や『人と猫共生会』など、3~4つほどの動物保護団体が合同で犬や猫を救うチームに同行取材をさせてもらった。このチームは、危険とされている地域・浪江町の住民から「ペットを助けて欲しい」と依頼されている。

このチームの目的は、避難地域から救出した犬やを安全とされる地域に避難させて育て、飼い主が見つかったら返すというもの。放射線物質による被曝を防ぎ、毎日エサを与えるのである。飼い主が見つかるまでは、一時的に「預かりボランティア」の方に育ててもらうのが普通だ。犬猫を保護した場所には、チームの連絡先が書かれた張り紙をしておく。

取材班はチームとともに自動車で浪江町へと向かった。セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートなど、いつも普通に見かけている店が閉店状態になっている。人の姿はなく、牛が単独で畑を歩き、非常に不気味な光景となっている。街中には自動車も多数あるが人がいるわけではなく、そこに放置されているだけである。

ペットたちは、飼い主(人間たち)がいなくなった町で生活している。多くの人たちは飼い犬のクサリをはずして自由に動けるようにしてから避難しているようだが、クサリをはずさないまま放置して逃げた飼い主もおり、移動できずそのまま餓死している犬もいる。

「あれ? 誰もいない……」という状況に陥った犬は、同じように途方に暮れて歩いている同じ境遇の犬と仲間となり、一緒になって行動しているパターンもある。実際、記者は浪江町で3匹のグループになった犬を発見した。

久しぶりに人間を見たのか、かなり警戒してこちらに近づいてこない。猫の場合はケージにエサを仕掛けて、そこに入ってきた猫を捕獲するという手段で保護しているが、犬の場合はこちらに近づいてこないと捕獲することが難しい。

優しい声をかけてこちらに誘導すると、少しずつだが犬たちが近づいてきた。エサを与えると食べるものの、警戒して決して触らせてくれない。30分ほど時間をかけて犬たちを安心させ、なんとか首輪にロープをつけて捕獲成功。

しかし、簡単に捕獲できる犬もいる。無人のファミリーマートの店舗前に記者が犬を発見。けっこう人なつっこく、すぐに「おすわり」をして首輪にロープをつけることができた。お前たちは、人に見放されてもここまで従順なのか……。

ケージの数が足りず、泣く泣くエサだけあげて、そのままおいてきた犬もいた。人を信じて、人に捨てられ、この犬たちはどのような心境でいるのだろうか?

飼い主がペットと一緒に逃げたくても、状況がそれを許さないのも事実。断腸の思いで犬を置いてきた人もいるはずであり、すべての飼い主をひとくくりにして責めることはできない。農家の牛も同様である。

【続報】
原発10キロ圏内取材・飢えに苦しむ牛たち未公開映像 / 政府の的確な対応が求められる

Report: Kuzo.

今回は、福島県双葉郡浪江町と小高区の一部で犬を捕獲しました。浪江町は、原発から5~10キロ圏内です。多くの犬が捨てられています。ここは危険な地域です。それゆえ、当編集部は皆さんに救出に行って欲しいとは言えません。しかし、人間がいない町にこのような動物たちがいることを忘れないでください。そして、運良く救出された犬猫たちを受け入れられるという方は、話を聞くだけでもいいので、『アニマルフレンドシップ』などの動物保護団体に問い合わせをしてみてください。
Fukushima nuclear power plant accident. village in the range of 5-10 kilometers from nuclear power plants. Many dogs are abandoned.