現在、ある耳の聞こえない子犬と、その家族とのストーリーがイギリスで注目を集めている。その子犬はアリスといい、聴覚障害を持つ子犬はお金にならないという理由で生後8週間の時にブリーダーによって捨てられた。そして救出された時には、アリスは病気にかかっていて、精神的にもとても弱っていたという。

そんな多難な人生のスタートを経験したアリスに、ある運命的な出会いが訪れる。そう、ウィリアムスさん・モーガンさん一家との出会いである。夫婦であるマリー・ウィリアムスさんとマーク・モーガンさん、そしてその3人の子どもたちは、動物保護団体「Blue Cross」の譲渡センターでアリスと出会い、家族の一員として迎えることを決意する。

その時のことを振り返って、ウィリアムスさんは「私たちは犬を飼おうと考えていたんです。でも、アリスに聴覚障害があることを知った時は信じられませんでした。彼女はとても美しく、そして彼女の耳が聞こえないということがより私たちを惹きつけたのです。私たちは分かっていました。彼女なら、私たち家族の最高の一員になれることを」と話している。

ウィリアムスさんたちがこのように、アリスにとても惹かれたのには大きな理由がある。実はウィリアムスさんとモーガンさんは、アリスと同様に耳が聞こえないのだ。

ウィリアムスさんは「私たちが譲渡センターに行って、アリスを見た時、私の目には涙が溢れていました。なぜならアリスがとても愛くるしく、そして私たちとの強いつながりを感じたからです」と話しており、同じ境遇にあるアリスに、出会った瞬間からとても大きな愛を抱いていたことが感じ取れる。

現在、ウィリアムスさん・モーガンさん一家は、家族一丸となってアリスにお座りや「こっちにおいで」といった手話を教えており、アリスは順調に元気を取り戻している。

Blue Crossの譲渡センターでマネージャーをしているジュリー・ストーンさんは「マリーさん、マークさん、そして3人の子どもたちがすぐにアリスと強い絆を築いたこと、そして彼らがアリスの注意の引き方を知っていたことにとても驚きました。彼らの相性は抜群で、アリスは心から愛を注いでくれる最高の家族を見つけました」と述べ、彼らの出会いがまさに運命的だったことを印象付けた。

共に聴覚障害を持つウィリアムスさん・モーガンさん夫婦とアリス。彼らは言葉を交わすことはできないけれど、きっと心の中でお互いの想いを感じ合って生きているのであろう。言葉を超えた人と動物とのつながりを信じさせてくれる、なんとも心温まるストーリーである。
(文=田代大一朗

参照元:DailyMail

▼左がウィリアムスさん、そして右がアリス