浅草の閑静な住宅外にある、カレーのお店「カフェ・ラティーノ」。モダンな外見からは「いちごカレー」などと、まさかそんな奇抜なメニューを置いているようには思えないのだが……。

店に入るとまず、辛さを10段階から選べというので、甘いイチゴとバランスがとれるようにとレベル8を注文。それでもかなり辛いらしい。ついでに、トッピングのアイスクリーム(150円)と得体の知れないパンダ豆(100円)も追加してもらうことにした。

ようやく目の前に登場した「いちごカレー」+α。まず見た目だが、噂に聞いていた通りそれはそれは素晴らしく芸術的なものだった。薄く均等にスライスされた「いちご」が、美しくライスの周りに並べられている。しかも、ライスにも「いちご」がしっかりと混ぜ込まれていて、ほんのりピンク色になっているのだ。もはや、どこからどう見てもスイーツにしか見えない(?)

そうこうしているうちに、自分でトッピングしたアイスクリームが艶めかしく溶け始まっているではないか。うむ、なかなかの大きさだ……ゴクリ。アイスの上にかかっている赤いのは、カレーの香辛料だろうか? カレーの中にはパンダ豆(店主に説明してもらったが、どこがパンダの顔に見えるのかいまだに理解不能)と、そして、カレーと一緒に煮込まれた「いちご」がゴロゴロと何個も入っていた。

冷静を装いながらも恐る恐る口にすると……これがどういうわけかなかなかの美味しさだ! いちごの爽やかな甘さと辛口カレーが絶妙なバランスをとりつつ口の中で旨みが広がる。さらに豪快にアイスクリームをライスの上にどか~んとのっけて食べてみると、これまた「甘と辛」、「冷と熱」の真逆の美味さが口の中で入り混じり快感この上ない。一度にあらゆる風味や温度差を楽しめるなんて、すばらしいメニューではないか!

しかし、最後の方はさすがに甘さの方が勝ってしまい、なんだかしょっぱくて辛いスイーツを食べているような気分になってきた。やはり、アイスは不要だったかもしれない。

しかしこの「いちごカレー」(950円)、実はまったく割に合っていないのだと女店主はついに白状した。「できればあんまり人気が出て欲しくないんですよねえ~。でも、取材に来られる方はこのメニューばっかり紹介するでしょう? ほかにも普通の美味しいカレーがあるんですけどねえ。とはいえ、お客さまが喜んでくれるからやめません! ふふふふ……」と嬉しそうに本音を漏らす。いちごは普通のスーパーで仕入れるため、なんとカレー代の半分以上がいちご代になってしまうのだという。それは大変だ。

販売時期はクリスマスの少し前あたりから、4月の半ばあたりまで。平日のランチタイムはミニサラダとドリンクのサービス付きだ。いちごカレーも良いけれど、ここはドライカレーがすこぶる美味いらしいぞ!

■「カフェ・ラティーノ」
場所:東京浅草
期間限定 いちごカレー(950円/ネットより数日前に要予約)
URL:http://www.cafelatino.co.jp/index.html