今では広く普及している胎内教育「胎教」は、妊婦がリラックスすることで、お腹の中の赤ん坊に良い環境を与えようというもの。音楽を聴く、話しかける、本を読み聞かせるなど方法は様々だ。

このほど、その胎教の効果を裏付けるような研究結果が発表された。赤ん坊は生まれる前に聴いた音楽を覚えているというのだ。

出産を3週間後に控えた妊婦50人に、1日2回低音の曲を聴いてもらった。その後、生後1カ月になった50人の赤ん坊が寝ているときに、低音の曲と高音の曲を流した。

母親のお腹の中で聴きなれた低音の曲を聴いたとき、赤ん坊の脈拍は、平均して1分間に12回減ってゆっくりになった。聴きなれない高音の曲では、5~6回ほどの減りだった。

「つまり新生児は、胎児のときに耳にした音に聞き覚えがあり、聴き慣れない音よりも心地よく感じているということです」と心理生物学者のキャロライン教授は語る。「胎児のときは常に一緒にいる母親の声や周囲の音は、生まれて間もない赤ん坊には聞き覚えのあるものなのです」。

人間の聴覚は出生前の3カ月で発達する。特に生まれる5週間前までには、内耳にあり、聴覚をつかさどる蝸牛(かぎゅう)という渦巻き状の部分が成長を遂げる。この時期に話しかければ、出生後の言語習得にも少なからず影響を与えると考えられている。

「しかし、必ずしも妊娠中に音楽を聴けば良いということではありません」とキャロライン教授は忠告する。

「聴覚が十分に成長した出生直前の胎児には、何もしなくても自然と音が耳に入ってくるのです。それ以上の刺激は、生物学的には必要ありません。何でも多ければよいというものではないのです。発育期においてはなおさらです」。

それでも我が子の才能を見出すために何かしたいという親には、次のようにアドバイスしている。「生まれてから音楽などを聴かせても遅くはありません。むしろ、お腹にいるときにはわからなかった、音楽を聴いたときの子どもの喜怒哀楽の表情を見ることができるのです」。

胎教は、我が子を想うからこその親心。しかし、妊娠中の夫婦喧嘩には注意したほうがよさそうだ。生まれてきた赤ん坊は覚えているかもしれないのだから。

参照元:dailymail(英文)