財布、携帯電話、傘、化粧品セット、手帳、ペットボトル。これだけ入れれば、さすがにかばんも重たくなる。イギリスのある調査によると、女性の半数が重いハンドバックを持ち運ぶことで体に痛みを感じており、最近では男性も重たいかばんに悩まされているのだとか。

かばんが体にもたらす影響について、理学療法士であるラッセル・ストッカーさんは「かばんを持ち運ぶことは、姿勢と動きにとても大きな影響をもたらします。気付いてないかもしれませんが、歩いている時、私たちの体は劇的に適合し、調整されているのです。これはハイヒールを履いて歩くと、より顕著なものとなります」と述べた。

それでは、かばんは私たちの体にどんな影響をもたらしているのだろうか? 体の部位ごとにその影響を見ていこう。

【首】
私たちがかばんを持ち運ぶ時、首は重心を取るため自然とかばんとは逆の方に傾く。そしてこれは、かばんを持っている側に緊張、持ってない側に圧縮をもたらし、首の痛みの原因となっている。

【肩と背中】
かばんを持っている方の肩は、常に後ろに引っ張られ、上に吊り上った状態にある。これは上背、肩甲骨、背骨を支える筋肉を痛め、曲がった背中や肩という悪い姿勢のもとになる。

また、重いかばんを持ち運ぶことは、椎間板変性や椎間板ヘルニアにつながり、時には手術が必要になるほどの激痛をもたらす。

【腕】
腕でかばんを持って歩いている時、腕は固定された状態にあり、「これは歩く時に行う腕の振りとは、全く違う状態にあります。バランスを取るのに必要な腕の振りなしに歩くことは体を不安定にし、前に進むのにより多くの労力を必要とします」とラッセルさんは言う。実際にかばんによる圧力で腕の神経は炎症を起こし、慢性的な痛みを感じているらしい。

【腰と脚】
かばんが重たくなるほど、脚の関節にかかる負担は大きくなり、これが長期間続くと関節にまつわる様々な問題が生じる。

ラッセルさんは、このことについて「かばんを持って歩くと、何も持ってない時とは違った歩き方になります。これは骨格系で起こる力の働き方を変化させ、様々な問題、そして痛みを引き起こすことになります」と述べている。

以上が、かばんによる体への影響なのだが、これだけ多くの弊害を挙げられたら、さすがになんとかしなきゃという気になる。では実際に何をしたら、これらの弊害を避けられるのだろうか?

ここからは、かばんの正しい持ち運び方、そしてオススメのかばんについて紹介していこう。

【かばんの持ち運び方】

・荷物をできるだけ減らす
・かばんを持ち運ぶ時間をできるだけ短くする
・一定時間ごとにかばんをかけるひもの位置を変えて、筋肉を休ませてあげる
・荷物を二つのかばんに分けて、体にかかる重さを分散させるのも一つの手
・かばんのひもはできるだけ短くした方がよい。なぜならそうすることで、かばんが体に密着し、揺れ動くことがないから
・腕の湾曲部にかばんをかけて持ち運ぶのはダメ。これは肩にかけて持ち運ぶより、体に負担をかけてしまう

【オススメのかばん】

1.肩ひもが広いかばん → 肩にかかる圧力を分散できるので
2.リュックサック → パソコンを持ち運ぶ人にもおすすめ
3.ひもを肩から腰に斜めにかけられるかばん → バランスが取りやすいため
4.ウエストポーチ → かばんの重みは、骨盤あたりの体の中心にくるとよい。したがって、ファッション性を気にしないなら、ポーチもおすすめ
5.小型キャリーバッグ → 旅行にも使える

日常生活において、欠かせないものである「かばん」。確かにそのデザイン、機能性も大事だが、それを使う自分自身をおろそかにしてしまっては元も子もない。これからは自分の体のために、そしてかばんと長く付き合っていくためにも、正しいかばんの持ち運び方・選び方を実践していきたいものだ。

(文=田代大一朗
参照元:DailyMail(英文)

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