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一口に「恐怖」と言っても、何を怖いと感じるのかは人それぞれである。そして、どんなホラー映画を「怖い!」と感じるのかも人それぞれ。あなたの思う「最高に怖いホラー映画」は何ですか? ――ということで!

今回は海外サイト「NuPxl.com」が発表した、ホラー映画トップ20をご紹介したい。きっと見たことも聞いたこともない作品が見つかるはずだ。果たして日本の作品はランクインしているのか? 最強にして最恐の映画は何なのか? それでは20位から見てみよう。

20位:『Shutter』(タイ『心霊写真』、邦題『シャッター』)
2004年公開。心霊写真をテーマとした、タイのホラー映画がいきなりのランクイン。バンコク国際映画祭はもちろんのこと、タイ以外の国での映画祭でも数々の章を受賞。特に好評だったのはタイとシンガポールだ。

2008年にはハリウッドでリメイクされ、監督は『世にも奇妙な物語』でも有名な落合正幸、美少女幽霊役として奥菜恵が出演。また、2007年には南インド(タミル語)でも『Sivi』という名前でリメイクされている。

19位:『House on Haunted Hill』(邦題『TATARI タタリ』)
1999年公開。廃病院館を舞台にしたアメリカのホラー映画。ウィリアム・キャッスル監督が1959年に制作した『地獄へつゞく部屋(House on Haunted Hill)』のリメイク作品。日本では『TATARI タタリ』という名前で2000年に公開された。

なお、主演のジェフリー・ラッシュ(スティーブン・プライス役)は、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズでヘクター・バルボッサ役を演じている。

18位:『What Lies Beneath』(邦題『ホワット・ライズ・ビニース』)
2000年公開。湖のほとりにある一軒家を舞台に、夫婦をおそう怪奇現象の謎をテーマとした、アメリカのサスペンス・スリラー映画。

夫・ノーマン・スペンサー役はハリソン・フォード。そして妻・クレア・スペンサー役は、映画『アイ・アム・サム』でも有名なミシェル・ファイファー。彼女は過去に二度、米セレブ誌『ピープル』で「世界で最も美しい人物」に選ばれたこともある。

17位:『1408』(邦題『1408号室』)
2007年公開。ニューヨークにあるホテルを舞台としたアメリカのホラー映画。原作はあのスティーヴン・キング。内容を簡単に説明すると、オカルト系ライターの主人公が「ドルフィン・ホテルの1408号室はマジでヤバい。絶対行くな」という情報を入手。ならばとばかりに単身取材に行ったのが運の尽き――というもの。

ホテルの支配人役には、名脇役サミュエル・L・ジャクソンが出演。主な撮影場所はニューヨークの「ホテル・ペンシルバニア(The Hotel Pennsylvania)」だ。

16位:『Candyman』(邦題『キャンディマン』)
1992年公開。都市伝説「キャンディマン」の謎を追ったが故に悪夢の事態におちいる女子大学生を描いた、アメリカのホラー映画。ちなみにキャンディマンとは、鏡に向かって5回「キャンディマン」と唱えると出現するという伝説の殺人鬼だ。

監督はバーナード・ローズ。原作は、あのスティーヴン・キングも絶賛する英ホラー界の巨匠クライヴ・バーカー。小説家・脚本家・映画監督として活躍をする彼の代表作のひとつには、『ヘルレイザー』シリーズなどがある。

15位:『The Haunting』(邦題:『たたり』)
1963年公開。心霊現象の研究チームが、呪われた家を調査しに行くと――という、アメリカンホラー映画の名作中の名作。監督は映画『ウエスト・サイド物語』や『サウンド・オブ・ミュージック』で有名なロバート・ワイズ。

1999年には、当時の最新映像技術を駆使してリメイク作品(『The Haunting』、邦題『ホーンディング』)も制作された。監督は映画『スピード』、『ダイ・ハード(撮影監督)』、『ブラック・レイン(撮影監督)』でも有名なヤン・デ・ボン。

14位:『The Orphanage』(スペイン『El Orfanato』、邦題『永遠のこどもたち』)
2007年公開。舞台は老朽化した孤児院。主人公はこの建物を買い取り、障害のある子どもたちのための施設にする予定だったが――という、スペインのホラー映画。

カンヌ国際映画祭やトロント国際映画祭でも上映され、あまりの完成度の高さに大喝采。そしてスペインのアカデミー賞とも言われる「ゴヤ賞」では7部門を受賞。2008年にはメキシコでも公開され、空前の大ヒットとなった。ハリウッドもリメイクに乗り出している。

13位:『Poltergeist』(邦題『ポルターガイスト』)
1982年公開。言わずと知れた名作中の名作。物が勝手に動くポルターガイスト現象を題材にした、アメリカのホラー映画。監督は映画『悪魔のいけにえ』のトビー・フーパー。制作は世界の巨匠スティーヴン・スピルバーグだ。

世界的な人気に押され、1986年には続編『ポルターガイスト2』、1988年は『ポルターガイスト3』が公開された。しかし、シリーズ全ての作品において、公開後に出演者が相次いで怪死したことから、呪われた作品とも言われている。

12位:『The Eye』(香港『見鬼』、邦題『The EYE 【アイ】』)
2002年公開。目の角膜移植手術を受け視力を取り戻した少女をおそう数々の怪奇現象――をテーマとした、香港とシンガポール合作のホラー映画。監督は香港生まれの双子のホラー映画監督パン兄弟(兄:オキサイド・パン、弟:ダニー・パン)。

過去にタイで実際にあった、「角膜移植の手術をした少女が、手術一週間後に自殺した」という事件に着目して物語を作り上げた。2008年にはハリウッドでリメイク(『THE EYE』、邦題『アイズ』)された。

11位:『Al Final del Espectro』
2006年公開。人混みや、広い場所で「ここでもし何かが起きたら……」と不安になってしまう「広場恐怖症」の女性を描いた作品。外出恐怖症のため、家に閉じこもるようになった主人公をおそう、数々の怪奇現象――という、コロンビアのホラー映画。

英ユニバーサル・ピクチャーズがリメイク権を獲得し、ニコール・キッドマンが主演に決まったという報道も2007年ごろにはあった。

10位:『The Others』(邦題『アザーズ』)
2001年公開。アメリカとスペインとフランスが合作したスリラー映画。舞台は1945年のチャネル諸島・ジャージー島。戦争に出征した夫は帰って来ず、家族は不安な日々を送っていた。そこにあらわれた三人の使用人。と同時に、屋敷では不可解な現象が起き始めた――というストーリー。

主演はニコール・キッドマン、製作総指揮にトム・クルーズが参加した豪華な一本。ゴールデングローブ賞をはじめ、ゴヤ賞やサターン賞、数々の賞を受賞した。

9位:『Ju-On: The Grudge』(邦題『呪怨』)
2003年公開。監督・脚本は清水崇。そう、日本が誇るホラー映画の傑作『呪怨』である! 日本のみならず、アメリカをはじめとする諸外国でも大ヒット。翌年2004年にはハリウッドリメイク版(『The Grudge』、邦題『THE JUON/呪怨』)も公開されたが、ランクインされているのは本家の『呪怨』。

なお、リメイク版『The Grudge』は全米興行成績でもナンバーワンを記録。日本人監督の実写作品としては初の快挙であった。

8位:『The Changeling』(邦題『チェンジリング』)
1980年公開のカナダ映画。借家の古屋敷で頻繁に起きるポルターガイスト現象をテーマとしたカナダのホラー映画。派手な血しぶきやスプラッター的な表現を使わずに、小道具や効果音を駆使したテクニックで恐怖を演出するテクニカルな一本。数々の映画賞も受賞している。

2008年に公開されたクリント・イーストウッド監督、アンジェリーナ・ジョリー主演の『チェンジリング』(Changeling)もあるが、これは別物だ。

7位:『The Amityville Horror』(邦題『悪魔の棲む家』)
1979年公開のアメリカのホラー映画。過去に惨殺事件があった激安物件(しかも豪邸)に住んでみたら……というストーリー。

原作はジェイ・アンソン著の小説『アミティヴィルの恐怖』で、映画『エクソシスト』によるオカルトブームの波に乗るかたちでベストセラーとなった。映画の方も大ヒットとなりシリーズ化。現在、7作までリリースされている。2005年には映画プロデューサー・マイケル・ベイによってリメイクされている。

6位:『The Sixth Sense』(邦題『シックス・センス』)
1999年公開。霊感(第六感)により死者が見えてしまうという少年と、児童心理学者との交流を描いたストーリー。主演はブルース・ウィリスと、『フォレスト・ガンプ/一期一会』で一躍有名になったハーレイ・ジョエル・オスメント。

映画冒頭に流れる「この映画にはある秘密があります。まだ映画を見ていない人には、決して話さないで下さい」という意味深な前置き、さらに衝撃的なラストと合わさり大ヒットを記録した。

5位:『Lake Mungo』
2010年公開。家族で湖畔をピクニック中に娘アリスが行方不明となり、やがて水死体で発見。しかしその後、生前のアリスが映されたビデオテープが発見。次々と明かされる謎と、悲しみに暮れる家族の様子をモキュメンタリータッチで描いたオーストラリアのホラー映画。

リメイクも決定されており、2011年に公開するのではないかと言われている。

4位:『The Ring』(邦題『ザ・リング』)
2002年公開。日本でも大ヒットした鈴木光司原作の映画『リング』(1998年)のアメリカリメイク版。テレビから抜け出てくる「貞子」のキャラクターはあまりにも有名だが、リメイク版でも忠実に再現されている。監督は『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズで有名なゴア・ヴァービンスキー。

なお、日本版の貞子にあたるサマラ・モーガン役には、アメリカで声優としても活躍している女優デイヴィ・チェイスを起用。米版『千と千尋の神隠し』では千尋の声を担当した。

3位:『Session 9』(邦題『セッション9』)
2001年公開されたアメリカのホラー映画。舞台は廃墟と化した精神病院。アスベスト除去のため、改修工事にやってきた5人の作業員が見たモノとは――というストーリー。

ちなみに撮影場所となったマサチューセッツ州の「ダンバース精神病院」は、2000人以上も収容できる巨大病院。1874年に建てられ、過去にはロボトミー手術も行われていたらしい。全米一の恐ろしい廃墟として有名であり、アメリカの廃墟マニアたちにとっての聖地でもあるが、2006年に取り壊されてしまった。

2位:『The Blair Witch Project』(邦題『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』)
1999年公開。映像系の学生3人が、「ブレアの森に棲む伝説の魔女」を題材としたドキュメント映画を作るために、ハンディカメラ片手に森へ入っていく……そして彼らが見たモノとは!? という内容。物語は擬似ドキュメンタリー(モキュメンタリー)タッチで進んでいく。

超低予算で大きな収益をあげたことから、世界中で話題となった。この作品が2位に入ったことについては、「ありえない!」と思う人と「おっしゃる通り!」と思う人、ハッキリと分かれるはずだ。

1位:『The Shining』(邦題『シャイニング』)
栄えある第一位は、誰もがナットクのこの作品! 1980年公開。スティーヴン・キング原作、スタンリー・キューブリック監督、ジャック・ニコルソン主演という、あまりも有名すぎる米ホラー映画の傑作。

舞台はコロラド州の雪山の上にある古びたホテル。ここに家族と住み込むことになった小説家志望の主人公は、その後、徐々に狂気に目覚め……というストーリー。こだわりにこだわり抜き、わずか2秒のシーンに2週間も費やしたこともあったという。

また、英国の大学の研究によると、「数学的計算による世界最高のホラー映画」でもあるという。まさに一位の名にふさわしい伝説の作品だ。

――以上20作品。いかがだったであろうか? 映画『エクソシスト』が入ってないし、こんなランキングは認めない! ……なんて思う方もいると思うが、そこはご愛嬌。まだ見ていないホラー作品があったとしたら、是非一度は見ていただきたい。

参照元:NuPxl.com(英文)
執筆:GO羽鳥

20位
▼『Shutter』2004年:タイ

▼『Shutter』2008年:アメリカ

▼『Sivi』2007年:インド

19位
▼『House on Haunted Hill』1999年:アメリカ

18位
▼『What Lies Beneath』2000年:アメリカ

17位
▼『1408』2007年:アメリカ

16位
▼『Candyman』1992年:アメリカ

15位
▼『The Haunting』1963年:アメリカ

▼『The Haunting』1999年:アメリカ

14位
▼『The Orphanage』2007年:スペイン

13位
▼『Poltergeist』1982年:アメリカ

12位
▼『The Eye』2002年:香港・シンガポール

▼『THE EYE』2008年:アメリカ

11位
▼『Al Final del Espectro』2006年:コロンビア

10位
▼『The Others』2001年:アメリカ・スペイン・フランス

9位
▼『Ju-On: The Grudge』2003年:日本

▼『The Grudge』2004年:アメリカ

8位
▼『The Changeling』1980年:カナダ

7位
▼『The Amityville Horror』2005年:アメリカ

6位
▼『The Sixth Sense』1999年:アメリカ

5位
▼『Lake Mungo』2010年:オーストラリア

4位
▼『The Ring』2002年:アメリカ

3位
▼『Session 9』2001年:アメリカ

2位
▼『The Blair Witch Project』1999年:アメリカ

1位
▼『The Shining』1980年:アメリカ