あなたは自分のことを、ちっぽけな存在だと思ってはいないだろうか? もしそうなら、原因はメディアの国際化にあるかもしれない。というのも、メディアの国際化により、現代人は身の回りの人ではなく、世界セレブと自分を比較するようになり、より自分に自信を失っているらしいのだ。

そう主張するのは、テルアビブ大学の心理学者カルロ・ストレンジャー博士。彼は新しく出版される自身の著書『The Fear of Insignificance(ちっぽけな存在の恐れ)』で、現代人は世界セレブと自分を比較することで、自分は取るに足らない存在だと感じるようになり、不安や失望感にさいなまれていると訴える。

博士は10年前からこの研究を進めており、この自尊心の喪失は国際化が進んでいくにつれて顕著になっていたという。一昔前までは、人々は身近な人と自分を比べていた。しかし、国際化が進んだ今、私たちはひとつの「世界村」に住んでいると博士は言う。そしてその結果、私たちは世界で最も「存在意義がある」とされる世界の著名人、実業家と自分を比べるようになり、自分には才能がないと嘆くようになった。

この現象はいろんな人に当てはまるらしく、メディアで世界セレブのサクセスストーリーが流れると、ある程度成功を収めている人でさえ自分に対する自信を失ってしまうらしい。では、どうやってこの問題に向き合っていけばいいのだろうか? ストレンジャー博士によると、自分が成し遂げてきたことから生まれる強いアイデンティティーが、この不安を解消する大きな鍵だという。

具体的に、博士は「医学やロースクールに人々が時間やお金を投資しているように、自分を取り巻く世界への見方、そして自分自身についてもっと時間をかけて考えるべきです」と述べ、財産や知名度で人を評価する現代の風潮に惑わされぬよう、自分の核を築くことを促した。

切磋琢磨という言葉があるように、人と自分を比べ、競い合っていくことは決して悪いことではない。しかし、自分より優れていると思う人物に出会った時、「自分はダメだ」とただへこたれて終わるだけでは話は別だ。国際化が進みいろんな人が見えてきた今、競争とは、そして自分の価値とは何なのか、問い直してみてはいかがだろうか。
(文=田代大一朗

photo:flickr violarenate
参照元:DailyMail(英文)