間もなく公開の映画『英国王のスピーチ』で、吃音(きつおん)を持つイギリス国王の苦悩が描かれている。国民を前にしての演説でどもってしまい上手く話せないジョージ6世が吃音症を乗り越え、開戦宣言という世紀のスピーチに臨むというストーリーだ。

心理療法やスピーチ矯正などで多くの人が克服する一方、決定的な治療法がないとされてきたこの吃音症だが、アメリカ国立衛生研究所のドレイソン博士らがどもりの原因となる変異遺伝子を突き止めたと発表した。これにより、将来治療薬の開発が期待されるという。

博士らは、脳の言語処理に影響を及ぼし、吃音症を持つ多くの人に共通する遺伝子配列の特定に成功。これまでムコ多糖症(先天性代謝異常症)の原因とされてきた遺伝子の欠損や変異が、軽度の場合に吃音の原因となり得ることを発見した。

同博士は「吃音がすべて遺伝子レベルで引き起こされるわけではないが、今回の発見はその一因を突き止めた画期的なものである」と説明。研究チームは吃音症患者と同様の変異遺伝子を持つ実験用マウスを作り出しており、今後も研究を進めていくという。

本件が掲載された英国のニュースサイトには、自身や家族が吃音症に苦しむ読者からのコメントがさまざま寄せられており、どもりが社会的に障害と見なされづらい一方で職業選択の幅が狭められることへの問題提起、家族が抱える苦悩、治療薬開発への痛切な願いなどが綴られている。

参照元:DailyMail(英文)