「アポフィス」と名付けられた小惑星をご存知だろうか? 2004年に発見された地球軌道と金星軌道を323日をかけて公転する惑星だ。発見当初は2029年に地球に衝突の危険性があると示唆されていた。その後、その説は覆されたものの、最近になってロシアの科学者が2036年4月13日に、地球に接触する危険があると唱えているのだ。NASAもこの説を否定しておらず、次に接近するとされる2012年の結果によっては、回避作戦を取らざるを得ないという。

アポフィスは発見当初、かなり高い確率(300分の1)で2029年4月13日に衝突するものと予測されていた。当時、NASAもこの推測を支持しており、一時は62分の1にまで、衝突確率が上がっていたのである。

後の観測で、その可能性は次第に低くなり、最新のロシアの観測データでは、2036年にもっとも危険な状況を迎えるとされている。このことについてNASAの「Near-Earth Object Program」のドナルド・ヨーマンズ氏は、「彼ら(ロシア)の観測結果は技術的に正しい。2036年に惑星が再接近する」と報告を評価し、その確率を25万分の1と説明しているのである。

本当にアポフィスは地球に衝突するのだろうか? 現在のところこの惑星は、2012年後半もしくは13年前半に、地球の軌道上に接近するとされている。その際に、詳細なデータ解析が行われる予定だ。そして、もしも危険であるという結果が出た場合には、惑星軌道を変えるための計画が実行に移されるとのことだ。

すでに同様の計画は2005年に実験済みで、周期彗星のテンペル第1彗星に探査機のディープ・インパクトが370キロの合金製インパクターを打ち込んでいる。ただし、このときは彗星軌道を変更することが目的ではなかった。したがってアポフィス接近の際に、本当に軌道変更できるかどうか、その可能性については未知数だ。

2012年のアポフィス接近に注目が集まる。アポフィスは人類存亡の危機となるのだろうか?

illustration:sxc.hu sundstrom

■参考リンク
msnbc.com(英文)