台湾・新竹県にある寺院「池和宮」。ここの境内にあるレストランのような建物が、台湾で大きな話題になっている。

中に入るとまず壮大な壁画、大理石の壁、そしてクリスタル製のシャンデリアが参拝客を迎えてくれる。まるで5ツ星ホテルのような豪華さだ。しかし、この建物、実は池和宮が総額3000万台湾ドル(約8400万円)もかけて作った超豪華公衆トイなのである。

大抵の参拝客は、中に入るやいなや「あれ、まちがえたかな!?」と一瞬慌ててしまう。天井には5万台湾ドル(約14万円)のシャンデリアが輝き、大理石で作られた壁は総額1000万台湾ドル(約2800万円)。ズラリと並ぶ便器を見て、「あ、やっぱりトイレだったんだ」と安心するも、この便器もドイツ製で、お値段は一つ3万台湾ドル(約8万円)。男子トイレと女子トイレを合わせると、全部で26個も備え付けられているのだ。

豪華なのは装飾品だけでない。設備はとても思いやりにあふれている。便座が温かいのは当たり前。水は自動で流れ、お湯の出る手洗い場。女子トイレには授乳室があり、親子一緒に入れる大小2つの便器を備えた個室もある。障がい者用トイレには本皮の手すりつきだ。また照明はLEDライトを使用し環境にも配慮。

用を足し終えた参拝客は皆ニコニコ顔。「何て言ったらいいのか……トイレを楽しめた」と満足気に感想を述べた。

池和宮総幹事の陳清合(ちんせいごう)氏は、「どうせ作るなら、最高のものを!」と思い委員会を結成。様々な寺院のトイレを見て研究し、この形になったのだそうだ。トイレから出てくる参拝客は心なしか表情がとても穏やか。資材も設備も最高のものなら、参拝客の満足度も最高のようである。

ちなみにこの超豪華公衆トイレ、既にメインのお寺を差し置いて新しい観光地と化しつつある。

screenshot:YouTube ChinaTimes