
日々、何気なく過ぎていく毎日。何でもない日常の出来事が一生を左右することもある。そんな、ふとした瞬間を切り取ったような50のショートストーリーをご紹介しよう。お伝えするのは、すべてユーザー投稿による実話である。いずれも心に残る小さな小さな物語だ。
1. 消防士の私は今日、72時間勤務を終えて食料品店に立ち寄ったところ、1人の女性が駆け寄ってきて、突然私に抱きついた。私が驚いていると、その女性はこう言った。「あなたは2001年9月11日の世界貿易センタービルから、私を助け出してくれた」と、うれし涙を流し微笑みながら私に話してくれ た。
2. 70歳になる祖父は今日、経営実務の大学の学士課程を修了した。彼はどちらかと言えば、ビジネスで成功している方だ。しかし50年前にガンで亡くした母親との約束を果たすために、学位を取得したのだと、私に話した。
3. 私の母は、街で人気のパン屋を経営し、元気に切り盛りしている。それは彼女の人生の目標でもあった。その彼女は15年前、ガンと診断されてい た。死の恐怖に直面し、彼女がとった選択は雇われて生活することを止めることだった。そしてパン屋をオープンし、化学療法でガンを克服、今ではあらゆる面 で成功を収めている。
4. 今日、うちの犬が車にはねられてしまった。私はすぐに駆け寄って、彼を抱えて泣きながら道の端に座り込んだ。彼は亡くなる直前に、私の涙を舐めていた。
5. 今朝、事務所の皆さんは、「若く有望な弁護士」と私のことを評して、初めての大きなケースでの勝利を祝福してくれた。そして私が一日中考えていたのは、殺人者を「自由な男」にするために、どのような法律のテクニックを使ったかということだ。
6. 今日私たち夫婦は、50回目の結婚記念日を迎えた。妻は私に微笑んで、「もっと早くあなたに会えたら良かったと思う」と言った。
7. 2年間距離をおいていた前妻と、仲直りをしてディナーに行った。我々は4時間、楽しくおしゃべりをした。別れ間際、彼女は私に大きな封筒を渡した。その中には、彼女が私に送ろうとした手紙が20通も入っていたのだ。封筒には「私が頑固すぎて送れなかった手紙」と書かれていた。
8. 湿ったタイル張りの床で、滑ったときに頭を叩きつけるあと一歩のところで、車椅子の少年が助けてくれた。そして彼は、「信じられないかも知れないけど、3年前に同じように背中を痛めた」と言った。
9. 他の誰かの悲劇が、私の家族の願いに奇跡を起こしてくれた。知らない人のおかげで、父親は心臓を得ることができた。事故死が父親の命を救ったと思うことは、とても奇妙だ。
10. 今日は、あの日から10年の記念日。あの日、彼は朝食の後、トイレに行かせてくれなくて、私は彼を容赦なく叩いたり、金切り声を上げたりした。でもその瞬間は、過食症と積極的に向き合える分岐点でもあった。私はその日、彼に人生を救ってもらったんだと思う。
11. 今朝7時、調子が悪くて目が覚めたけど、金がなかったので仕事に行った。午後3時、クビになった。帰る途中で車がパンクした。スペアタイヤに取り替えようと思ったら、それもパンクしてた。BMWに乗った男が通り掛かって、私を乗せてくれた。彼といろいろおしゃべりしてたら、彼が仕事をくれることになった。また明日が始まる。
12. 今日、私の働くコーヒーショップに、2人の同性愛の男性が手をつないで入ってきた。お察しの通り、私は一瞬躊躇してしまった。
私のすぐそばにいた小さな女の子が、母親に「あの人たちはどうして手をつないでいるの?」と尋ねた。すると、その母親は「彼らはお互いに愛し合っているのよ」と答えた。
13. 今日、葬儀の後、人影のない実家に戻った。私が育った家。ここで培われたすべての大切な思い出に、畏敬の念を抱いて家中を見渡していると、両親が20代のときに撮った、コーヒーテーブルにかける2人の写真を見つけた。写真の裏には、父の筆跡で「この瞬間、我々は無限だ」と記されていた。
14. 私は今日、頭を高く上げて目を真っ赤にして空港から立ち去った。その瞬間、軍人の妻が何たるかを知った。
15. 今日ジムで、女性が歩み寄ってきてトレーニングのアドバイスをしてくれるようにと、私に頼んできた。彼女は、「あなたの身体は素晴らしい! あなたがウォーミングアップをしてトレーニングに励む様子を見ていると、自分の目的意識が研ぎ澄まされる」と言った。私は思わずニヤニヤしてしまった。なぜなら、15歳のときから体重と闘っていたからだ。
16. 今日、祖父が亡くなった。私は泣きながら、祖母にとても残念だと話していると、彼女はこう言った。「もう悲しむのをやめましょう。その代わり、おじいちゃんの素晴らしい80年の人生を讃えましょう。彼と私が重ねた60年」。
17. 今日病院のベッドで、父と3人の兄弟、2人の姉妹がそれぞれ、母のベッドのそばに立ち、最後の言葉を耳にした。母は「私は、今、とても愛されてると感じる。私たち家族はこうして、時々集まらなければいけなかったわね」と言った。
18. もっとも裕福に育った友人が、今日破産申請をした。もっとも貧しく育った友人は今日、2つ目の別荘を購入した。
19. ニューメキシコの砂漠の小さなガソリンスタンドで、彼女の家に財布を置き忘れてきたことに、5時間も経ってから気がついた。お金がなかったうえに、財布を取りに戻るために車を走らせるガソリンもない。スタンドには自分のほかに、たくましいトラックドライバーしかいなかった。気が進まなかったが、私は彼に援助を求めた。すると、彼は私の車のタンクを満タンにしてこう言った。「数年前、俺もこうして助けられた」。
20. 今日、ドレスアップしてブラインド・デート(知らない相手とのデート)の相手を待っていた。相手の男性は結局来なかった。ひどいと思った。きっと遠方に住んでいて、ここまで来ることができなかったのだろうと自分を慰めて、1人でレストランを出ようとしたときに、小さな女の子が母親に話す声が聞こえた。その子は私を見て、「あの人お姫様?」と、母親に尋ねていたのだ。私は笑顔になっていた。
21. 今日祖父を、予約しておいた病院に車で連れていったときのことだ。2つ続けて赤信号に引っかかり不満を言っていると、祖父はクスクスと笑い出した。「お前はいつも赤信号に文句を言ってる。だが青信号を褒め称えたことがないな」。
22. 今日、サンディエゴのダウンタウンで、肉体労働者のメキシコ人が、メキシカンであるがゆえに、いびられているのを見た。それはあからさまな差別だった。あまりにもひどいイジメで、ついに泣き出してしまった。彼は事務所を立ち去るときに、ジャケットを脱いだのだが、着ていたTシャツには「I LOVE THE USA」と書かれていた。
23. 私は今日、友だちの女の子の付添い人として結婚式に参加する。彼女は4年前にガンを克服した。8年前、私たちが大学4年生のときに乳がんが見つかり、余命18ヶ月と宣告されていた。
24. 友人の1人から、巨大な贈り物のバッグが届いた。彼女は、私が彼女のためにいることに感謝し、「あなたは親友」と言ってくれる。彼女は精神的にも肉体的にもハンディキャップを背負っている。私はただ、1週間に1度、30分彼女に会っているだけなのに。
25. 自動車事故で友人が突然死んだ。午前3時、私が病院の外で泣いているのを、1人のタクシードライバーが見つけた。彼は車を止め私を乗せ、30マイル(約48キロ)離れた家まで送り届けてくれた。そしてお金を受け取ることを拒んだ。
26. 父が小さな病院で他界したとき、額にキスをした。臨終したその5秒後に、幼いとき以来、父にキスするのはそれが始めてだったことに気がついた。
27. 今日キンコーズで、来月91歳の誕生をアフリカで迎えるために、パスポートの写真を撮りに来た90歳の女性に会った。
28. 8歳の娘がかわいい声で、リサイクルを始めようと私に頼んだ。私は笑って、「どうして?」と尋ねると、「私が地球を守る手助けができるから」と答えた。私はまた笑って、「どうして地球を守りたいの?」と尋ねると、「私のすべてのものを守ることができるからよ」と言った。
29. 現在、両親が家を持ち、私と兄弟を大学に行かせる余裕を持つことができるほど、十分な富を得ていることに感謝してる。でも、家族みんなが若く、2つの寝室しかない狭いアパートで、ボードゲームをしたり、一緒に食事をしなければならなかった日々を失ったと思うと、寂しく思う。
30. 火災で家の屋根が崩れ落ちそうになっているとき、父の愛人が家のなかに飛び込んで母を連れ出し、彼女の命を救った。
31. 葬式の受付で、誰もが死者へ告げたい何かを持っていた。彼らは、ジョンがいかに素晴らしい人物であったかを、彼に伝えたいと認めた。
32. 暴力的なホラー映画を見た後に、弟は急に祖父に、どんな風に死にたいかと尋ねた。「日暮れのように」と祖父は答えた。
33. 自分の2歳の娘の戯れを、ヒステリックに笑い飛ばしている乳がん患者を目撃したときに、自分の人生に不平を言うのを止めて、祝福する必要があると不意に理解した。
34. 彼らが私をからかってヒステリックに笑ったから、私は彼らが「私の目を通して、世の中を見ることができたらいいのに」と、ただ願った。
35. 自殺した兄弟の遺書を読んだとき、彼が書いたすべてに自分が関与していた事実にゾッとして、寒気が背筋を駆け抜けた。
36. 今日、私と息子は自動車事故に遭った。私は目の上をケガしただけだったけど、息子は昏睡状態に陥ってしまった。医者は、彼がすぐに目覚めなければ、完全に回復する可能性は大幅に減少すると言った。そして、今から1時間前、私は二度と聞けないかも知れないと思った言葉を聞いた。「ママ」って。
37. 今日、私は末期的な病状の女性と面談をした。私は詳細に尋ねた。「毎朝目覚めて、自分が死に直面していると思うのは、どんな感じ?」。「えーと」、彼女は言葉を選び、「毎朝目覚めて、自分を偽るのはどんな感じ?」と反問した。
38. ケニアを旅していて、ジンバブエからの避難民の男に出会った。彼は3日以上何も食べていないと言い、不健康でとても痩せこけていた。私の友人が、自分の食べていたサンドウィッチを与えた。すると、男は「半分ずつにしよう」と言った。
39. 私は母に、アルコール中毒のカウンセリングがうまく行っていないので止めたいと伝えた。すると母は、8歳の弟が「新しいエリオットのことが前よりずっと好きだ」と言っていたことを教えてくれた。
40. 食堂で、朝の慌しいなか、信じられないような男性に出会った。彼は誠実でとてもハンサム。私たちは昼食のときにもう一度ここで会おうと約束したけど、彼は来なかった。そして夕方になって、彼は昼休みに食堂から2ブロック離れた場所で、事故に遭ったと、共通の友人から聞いた。
41. 今日、レディー・ガガのコンサート会場で、心から歌を歌う50歳代のたくましいバイク乗りのような男性の隣に、2時間立っていた。
42. 骨折し松葉杖で奮闘する私を見つけた、車椅子の少年が、私のバックパックと本を運ぶと申し出てくれた。彼は私がキャンパスを移動する間、ずっと助けてくれて、別れ際に、「気分がよくなることを願うよ」と言った。
43. 今日、母をガンで失った。私の生涯は、富の帝国を築き上げることだった。そして比較的裕福になった今、私の望むすべては、母の背中だ。
44. 祖母は今日、過去を振り返って、「大きな間違いをするような危険を冒して欲しくなかった」と、語った。そして私を見て、「すべてを振り返ると、大きな間違いがあった。私があなたの歳のときに、勇気を持つことが出来ていれば」と言った。
45. 他の誰もが、飛行機の過剰予約に不満を言っている間に、私は笑って、窓口の女性に「貨物室に乗りたい」と冗談を言っていた。15分後、彼女はゲートエリアで座っている私を見つけ、ファーストクラスのチケットを届けてくれたのだ。彼女はウインクをして「忍耐強く接して頂き、ありがとうございます。ご承知の通り、エコノミークラスは一杯です」と言った。
46. 今日の夕方のニュースは、私が仕事を終えて車で帰るときに、法定速度よりも8キロ遅く走っていたことと、私の車の前に故意に飛び出してきた男が、自殺願望のある酔っ払った麻薬常習者であるということを言うのを忘れていた。
47. 午後3時、妻はアルコールの更生施設に1人でチェックしてもらうために出かけた。息子が彼女に、あざと背中のみみず腫れを見せたのだが、彼女自身が傷を与えたことを思い出せなかったためだ。私は何を思っていいのか分からない。怒るべきなのか、彼女を誇るべきなのか。私は混乱している。
48. 今日、私は彼女がやり抜くならば、自分も同じようにすると誓った。すると彼女は、ゆっくりと額に当てた銃を床に向けた。それから銃を私に手渡し、私の腕で3時間泣いた。
49. 今日12歳の少年が、住宅火災で亡くなった。彼は母親を安全な場所に逃がした後、わずか5ヶ月の妹を助けに、燃え盛る家に走って戻ったのだ。
50. 中間試験のためにキャンパスの向こう側へと急いでいたとき、私の電動車椅子が故障してしまった。そこにジョギング中の2人の女性が通り掛り、援助が必要かと尋ねてくれた。私が自分の抱えるジレンマについて説明すると、2人は車椅子を押して時間ギリギリにクラスまで連れて行ってくれた。
これらの物語は、ユーザーが自らの体験をショートストーリーとして投稿する「Makes Me Think」に掲載されていたものだ。同サイトは2009年6月開設以来、現在までに数千件にも及ぶストーリーが投稿されているのである。ご紹介した50個は、管理人Marc氏が厳選したものから抜粋している。
彼によれば、「物語は、私たちの幸せな気持ちを呼び起こし、また悲しい気持ちにさせ、そして感情を揺さぶる。現状に疑問を呈し、深い考えと内省の瞬間を生み、また我々を分別ある個人として進化することを手伝ってくれる」と説明している。今日も世界のどこかで、数え切れないほど物語が紡がれていることだろう。
photo:flick/Jekkone
■参考リンク
marcandangel.com(英文)

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コメントをどうぞ
38番目の、
男は「私たちは共有することができる」と言った
というところの和訳、“(このサンドイッチ)半分ずつ分けようよ”という和訳のほうがすっきりしますよ。
49番目の、
彼は母親の手で安全な方へと逃がされたのだが
の和訳は、実は
“母親を安全なところに連れて行った後、”ですよ。
39番は、8つ上の兄ではなくて、8歳の弟ですよ。
(^_^)/ 失礼しました。
5は最低の人間だと思うんだが。
てか、有能な弁護士なんてクソだぞ。
40は「ジョー・ブラックをよろしく」を思い出す。
ブラッド・ピットが出演してる。
この映画が好きなんだが、思ったほど世間で評価されてない。
かなり機械翻訳が入ってるな(特に後半)。
5,9,10,12,14,24,31,33,34,39,41,42,44,46,47,48はちょっと理解出来なかった。
記者は全て理解出来ましたか?(一部は背景が分らないと理解出来ないものもあると思うが)
心を揺さぶるようないい話がたくさんあるのに、高校生が訳したような日本語訳なのが残念。ひとつひとつの単語を訳すのではなく意訳したほうがすっきりすると思います。
訳についての厳しいご意見もあるようですが、こういったお話を知る機会を与えて頂いたことに私は感謝します。
GBYさんの言う通りです。こういうサイトを知って教えてくれた事は、とても良いと思います。短い文章の中で色々考えさせられました。バイリンガルの私ですが、翻訳については十分伝わる日本語でしたよ。英文が正しくないとかの自慢コメントではなくて、この内容にコメントを傾けて欲しいですね。