運動不足と同じように、長時間イスに座っているのは健康に良くないことがわかってきている。

長時間イスに座らないことも大切だが、イスやソファに座っているときは何度か適度に休憩をとることがとても大切らしい。たとえ1回に1分でもいいから、ちょっとした気分転換のための休憩をとることは、心臓やウェストのためには良く、しかも休憩の回数は多ければ多いほど良いそうだ。

ヨーロッパ心臓病学会が発行する『ヨーロッパ・心臓ジャーナル』にインターネット上で掲載されたレポートによると、クィーンズランド大学で公衆衛生を研究しているジェネヴィーヴ・ヒーリー博士は、20歳以上の男女4757人を対象に3年間にわたり実験を行った。実験では、被験者から、腰まわり、血圧、コレステロール値など様々な値を測定し、そして被験者の行動と医療歴・生活習慣との統計学的な関係を調べた。

その測定結果からヒーリー博士は、「運動が健康に良いことはみんなが知っていますが、長時間座っていることが健康にどのくらい悪影響をおよぼす可能性があるかについては、今やっと知られつつある段階です。私たちの研究は、長時間座っていることは健康に悪い行動であることをはっきりさせた点で、非常に有意義だったと思います」と述べている。

ヒーリー博士のこの研究結果は、特にオフィス内で大きな意味がありそうだ。「定期的に休憩をとることは、比較的に簡単に職場環境に導入することができますし、しかも作業の生産性を決して損ねることはないでしょう」と、ヒーリー博士は言っている。

ヒーリー博士が提案する具体的なアドバイスとしては、

・電話の時は、席を立つこと
・同僚には電話やメールではなくて、会いに行って用件を伝えること
・会議は立ったまま行うこと
・違う階のトイレに行くこと
・ゴミ箱やプリンタなどを一ヶ所にあつめ、そしてそこまで歩くようにすること
・エレベータのかわりに、階段を使うこと

このようにして、こまめに席を立つことが、長時間座っていなくてはならない職場環境でオススメできるとのことだ。

職場環境がコンピュータ化されるにつれて、イスに座る時間というのはますます長くなるだろう。近い将来、座っていることが健康に良くないという共通の認識を職場全体でもつことが必要となるかもしれない。

写真:ロケットニュース24

■参考リンク
ScienceDaily(英文)