アップルのスマートフォン『iPhone』を人体に15ミリ以上近づけて使用すると、総務省が定めている高周波エネルギーの基準値を超えることがあるという。これは『iPhone』に付属されている小冊子『この製品についての重要なお知らせ』に書かれてるもので、そこには以下のように書かれている。

iPhoneを身体に着用して使用する場合、本体の身体からの距離が15mm未満の場合(iPhoneをポケットに入れて持ち運ぶ場合など)、iPhoneのSAR測定値は総務省の定める曝露ガイドラインを上回る場合があります」(アップルiPhone小冊子より引用)

その小冊子には、曝露ガイドラインを上回る高周波エネルギーを浴びない方法も書かれており、「人体の高周波(RF)エネルギーへの曝露量が総務省の定めるガイドラインを超えないために、常にこれらの指示および警告に従ってください」と注意喚起している。曝露ガイドラインを上回る高周波エネルギーを浴びない方法は以下の通り。

音声通話または携帯電話ネットワーク経由の無線データ伝送のために、身体の近くでiPhoneを使用する場合は、iPhoneを身体から15mm以上離してください。また、必ず金属部品を不使用のキャリーケース、ベルトクリップ、またはホルダーを使用して、iPhoneと身体の間の距離を15mm以上離れるように保ってください」(アップルiPhone小冊子より引用)

それでも高周波エネルギーの曝露が心配な人はどうすればいいのか? 小冊子には「それでも高周波エネルギーの人体への影響が心配な場合は、iPhoneの使用時間を制限することで、曝露量を低減させる事ができます」(引用)と書かれている。つまり、iPhoneを使わなければ曝露量を減らせるという事だ。使わなければ曝露量が減るのは当然だが……。そもそもiPhoneは電話なので使用時間の制限をするのはナンセンスである。

この件に関してソフトバンクと総務省に問い合わせた人物F氏によると、「ソフトバンクには、今まで高周波エネルギーで体調を崩したという報告は一件もないらしく、普通に耳にあてて使っても問題ないとのことでした。それならばどうして小冊子に注意喚起が書いているのか不思議ですけどね」とのこと。

さらに、「何か起きたらご連絡ください」とも言われたという。何か起きてからでは遅いと思うが、逆に考えれば「基準値を超える高周波エネルギーを曝露しても特に問題は発生しない」という意味にもとれる。

F氏はこうも語っていた。「総務省にも聞いたのですが、iPhoneの場合、総務省が定める2.0W/kgを超えるSAR値は出ないはずだと言ってました。つまり、iPhoneのスペックだと2.0W/kgを超えられないそうなんです。そうなると、どうしてiPhoneの小冊子に注意喚起が書いているのか益々わからなくなりました。他の機器と干渉して上限を上回る曝露量になるのかも?」。

ちなみに、総務省によると、強力な高周波エネルギーを曝露すると熱作用が発生し、体温が上昇するという現象が発生するケースがあるという。ケータイで長電話をすると耳が熱くなるのはそのせいだろうか(単に耳に押し当てているから熱くなるだけかもしれないが)。

とにかく、ケータイキャリアや製造メーカーは高周波エネルギーに関してもっと詳しく説明して欲しいものだ。かぎりなく小さな文字で小冊子に書かれても、ほとんどの人が目を通さないと思うのだが……。

Photo from iPhone 3GS.
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