アメリカの著名なビジネスライターが、インターネット検索サービス『Google』を多用することに警告を発している。彼によれば、何でも検索に頼っていると考える力が弱くなり、結果として思考能力を低下させていくと主張している。

『Google』は9月8日、ユーザーがすべての検索キーワードを入力する前に、結果を予測しながら表示する『Google Instant』を発表した。これにより、インターネットユーザーは今までよりずっと短い時間で目的の情報にたどり着くことができる。しかし、同氏は何でも簡単に調べられてしまうことが、考える力を阻害(そがい)しているというのだ。

『Google』に異論(いろん)を唱えているのは、アメリカのビジネスライター、ニコラス・カー氏である。ニコラス氏はハーバード大学とダートマス大学で学び、文化やテクノロジーについての論文をいくつも発表している。その彼が、イギリスの国外向けテレビ放送『BBCワールドニュース』のインタビューに答え、「インターネットは、我々が必要とする精神的能力の定期的なトレーニングを奪っている」と主張しているのだ。

彼は『Google』について「さまざまな点について『Google』は称賛に値する。しかし彼らは、我々が知性を使うべき方法についてかたよったものの見方をしている。それは、効率化することのみを働きかけ、次から次へと情報を提供していることだ」と語っている。

つまり、『Google』は目的の情報に早くたどり着くことだけを追求し、本来人が考えるべきことを邪魔しているという。また、彼は衛星カーナビゲーションシステムについても、「人は自分の通った道順さえ記憶できなくなり、空間を理解する脳の部分がGPSシステム(全地球測位システム)によって減少している」と指摘。

さらには、「たとえば、非常に不便なソフトウェアで問題と闘わなければならない人は、役立つソフトを使う人よりも多くを学ぶ」と説明し、何もかも便利であることが人間の思考能力を低下させるとして、あくまでもツール程度に使うべきだと警告しているのだ。

たしかに『Google』検索もカーナビゲーションも便利であり、日常生活に欠くことのできないものとなっている。しかし、効率的に目的にたどり着くことだけが、本当の「答え」ではない、……と言いたいのだろう。迷ったり悩んだり考えたりすることこそ、検索結果に勝る「答え」といえるかも?

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