大阪で近ごろけっこう見かけるようになった「かすうどん」。この名前から想像すると、かすといえば“天かす”をまず思い浮かべる人は多いはず。だが、かすうどんのかすは、天かすではない。実は、牛のホルモンによる油かすのことを指す。しかも、高タンパク・低脂肪・コラーゲンたっぷり。そしてこの3つが揃うとあって、最近、全国から女性たちの注目を集めており、新たな大阪の名物グルメになりつつあるのだ。

かすうどんのかすは、牛のホルモン(小腸)を脂が抜けるまでじっくり素揚げした油かすで、肉の旨みが凝縮されている。大阪でも、南大阪の“河内”とよばれるエリアが発祥といわれる。このエリアでは昔から、牛などの畜産が盛んだったことから、新鮮なホルモンが手に入り、その有効活用にと、うどんに入れたのが始まりのようだ。大阪では「加寿屋」「うどん道場」などのお店が知られている。

さて、大阪のとあるうどん屋で、このかすうどん(600円)をオーダーしてみた。運ばれてきたうどんには、うどんの上にネギ、そしてかすが少しだけ浮いている。通常、たくさん入っている天かすの感覚からすると、やや物足りなさを感じなくもない。実際、このかすは天かすとは比べ物にならないほど高価なので、致し方なし。

そして、かすを口に入れてみると、なるほど、外はカリカリ、中はやわらかくてプルプル、歯ごたえも味もなかなかよい。それでもって、胃にもたれず、あっさりめ。何より、うどんととてもマッチしている。これは、やみつきになりそうだ。しかも、女性の側からすると、低脂肪やコラーゲンたっぷりなどというのは、とても魅力的。食べれば食べるほど身体にいいのであれば、かすだけをもっと追加で頼みたくなってくる。

聞くところ「大阪でかすうどんを食べたい!」という女性たちが増えているとのこと。確かに、美肌効果に栄養もあるとあれば、グルメ好き女性は放っておくはずなし。また1つ、大阪発のソウルフードが全国区としてどんどん広まるだろうか。ともあれ、南大阪を訪れる機会があれば、ぜひ味わってほしい。

写真:本誌記者撮影
記者:飾磨亜紀 (Aki Shikama)

▼やみつきになる!?

▼名物『かすうどん』