もはやブームも定着した感すらある「つけめん」だが、“「つけめん」は「ラーメン」か?”という議論のほうは、どうも尽きることがないようだ。

だが今回、横浜市で人気のスポット、新横浜ラーメン博物館では“そろそろその結論を出す時期が来たのでは?”ということで、「つけめん」に関する取材やデータ調査、分析まで重ねた結果を発表し、“「つけめん」は「ラーメン」”という結論を導き出したという。

さて、そもそも「つけめん」とは、いつごろできたのか。新横浜ラーメン博物館によると、つけめんの歴史は意外に古く、今から半世紀も前の1955年、東京・東池袋大勝軒が発売した「特製もりそば」が最初と言われている、とのこと。そして「つけめん」という言葉は、1973年創業のチェーン店「元祖つけ麺大王」が「つけめん」を生み出したという。

そして、「つけめん」が定着するきっかけは、東池袋大勝軒から独立した系列店「べんてん(高田)」、「道頓堀(成増)」などの店が人気となったこと、2000年には日本初のつけめん専門店「ぢゃぶ屋」がオープン、さらに最近では、ファミリーレストランのメニューにもなるほどで、2009年には「つけめん」だけを集めたイベント「大つけ麺博」も開催された、などをあげている。

また、新横浜ラーメン博物館では独自のデータ検証として、10年前の情報誌では夏に「つけめん」特集が組まれる程度で、季節要因の強い「冷やし中華」と同じ扱いに過ぎなかったのが、現在は年間を通して特集が組まれるようにまでなり、その裏付けとしてラーメン本によるつけめん掲載件数を比べると、2000年は5件、2005年は13件、2010年は31件と10年間で急増したことがわかったという。

そして結論として、“「つけめん」は「ラーメン」”というジャンルとして確立した、そもそも「つけめん」は「ラーメン」から派生して誕生したメニューで、歴史的にも誕生して55年の月日が経ち、いまや単なるブームではなく「食文化」になったとのことだ。

最後に、「つけめん」が定着した理由として、自家製麺が増えた「麺」、ラーメンの約2倍という麺の「ボリューム」、専用トッピングなどの「カスタム感」、味の変化が楽しめる「スープ割」をあげている。

もはやメジャーになった「つけめん」は、ふと思い出したように食べたくなる味。「ひやもり」でも「あつもり」でも美味しく、トッピングも楽しい。ちなみに、新横浜ラーメン博物館では、現在のつけめんブームの火付け役とされる埼玉県川越市の「頑者」(がんじゃ)が、6月2日からオープンするとのことだ。

記者:飾磨亜紀(Aki Shikama)