死刑執行現場を300回以上目撃した米国のある通信記者が話題だ。

米国、ヒューストンに駐在するAP通信のMichael Graczyk 氏(59)は1980年以降、死刑執行が最も多い州であるテキサスで、ほとんどすべての死刑執行現場を目撃し、凶悪な殺人犯、犠牲者家族などをインタビューしてきた。

ニューヨークタイムズ(NYT)は21日、「ここまで死刑執行現場をたくさん見た人はいない」としながら、おそらく彼は米国で死刑現場を最も多く見た人だろうと伝えた。

Michael Graczyk 氏は、死刑執行に対する賛否意思表示や、情緒的介入を極度に自制する。また、彼は、死刑執行現場では被告人側でない犠牲者側に主に座るという。 その理由に対してMichael Graczyk 氏は「そちら側のほうが、はやく外に出て行くことができ、記事をすばやく送ることができる」としながら「私がすることはどんなことが起きたかを記事で伝えることで、もし、どっちかに対して感情的になれば、私は自らを批判する」と述べた。

また、インタビューで彼は「死刑囚やこれを見守る人々の表情は非常に多様だ」と語っている。例えば、死刑囚の中には歌を歌い自身の罪を告白する場合もあるが、やけくそになって大声を出す人もいる。そして、参観人らの中で涙を流す場合も多いが、絶賛する人もいたという。

さらに、Michael Graczyk 氏によれば、死刑執行時にいびきをかく死刑囚が多く、犠牲者家族からは「とても平穏な死でないか」と不満が出てきているという。たいてい米国では(もちろん州にもよるが)最後に死刑囚がしたい話をした後、注射を死刑囚に投じる。そして、何秒後に睡眠に落ち、何分後に死亡することになることになるが、この直前にいびきをかく死刑囚が多いのだという。

Michael Graczyk 氏はまた、最も忘れられない死刑場面は「ある死刑囚が最後の瞬間に歌った『清しこの夜』Silent Nightという歌」だと述べた。 当時はクリスマスシーズンとは全く関係ない季節だったが、「あの出来事を考えることなしに、あの歌を聞くことはできない」と語っている。