コンビニ、駅、レストランなど至るところで手に取ることができるようになったフリーペーパーの求人誌。大手企業が出す『タウンワーク』、『ドーモ』、『ジョブアイデム』から、もっとセグメントされた、例えばタクシードライバーの無料求人誌、美容院専門求人誌など、その数は増える一方である。

そんな増え続けるこの状況下で、何者かがこの無料求人誌を大量に持ち帰っている事実をご存じだろうか。結論からいえば、この『何者』には2種類の人間がいる。(もしかしたら、そのほかにもいるかもしれないが。)順に説明すると、

1、競合でもある同業他社がフリーペーパーを大量に持っていく場合

これはつまり、競合のフリーペーパーを集め、自社の営業リストにしてしまうわけである。大量に取って帰る理由は、自社の営業マンに配布するためだ。そして、その競合のフリーペーパー求人誌に求人掲載している会社に直接電話営業し、自社のフリーペーパーの顧客にしようとするのである。もうこれは戦争である・・・

2、不動産会社がフリーペーパー求人誌を大量に持っていく場合

人材募集をする会社のほとんどが、現在の会社の状況が良く、今後売上も伸びると予想できるのではないか?つまり近い将来、今いる事務所が手狭になり、会社移転があるのではないかとも予想できる。このような予想から、主に法人向けの不動産会社がフリーペーパーの求人誌を持ち帰り【1】と同様に営業リストにしてしまうわけである。

「現在、多くの求人募集をされていますが、今の事務所は手狭ではないですか?良かったら一度ご説明させてください」と。

※法人向けの不動産会社とは・・・主に事務所移転を専門に行う不動産会社。街にある不動産屋はB to Cなのに対して、こちらはB to B。

もし、巷で大量に取っていく人が現れれば、この2つのパターンに当てはまる可能性が高いだろう。ちなみに、フリーペーパーの求人誌で求人を出しても、「なかなかやる気のある人材が集まらない」といった根本的な問題を口にする広告主も増加しつつあるようだ。これについては次回インタビューを交えてお伝えしたい。