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シリーズインタビュー『路上の哲学』。100年に1度の不況と叫ばれる中、世の中では一体何が起きているのか。路(みち)の上から見える世の中や社会を、そこに立つ人の言葉を通して垣間見るインタビューです。

平日の渋谷駅前、朝8時。スクランブル交差点に向かって、何かを叫んでいるグループがいるのをご存知でしょうか?それが晴れた日であっても、雨の日であっても、平日の渋谷駅前に、最近いつもいる3~4人の男女。

記者も最初は怪訝に思ったのですが、来る日も来る日も繰り返されているその姿が気になり、インタビューをさせて頂きました。実はこの路上でのパフォーマンス、株式会社情熱の朝礼だったのです。

第2回の『路上の哲学』は、『日本の中心で「夢」を叫ぶ』、渋谷駅前で朝礼を行う株式会社情熱の社長、水野元気氏にお話を伺いました。

1、渋谷駅前での朝礼を始められたきっかけについて、教えて頂けますか?

今年の6月6日に立川市で1500人規模のイベントを主催したんです。その時に、多くの人にイベントのことを知って頂きたいと思い、1ヶ月間1人で立川駅前で「夢」を叫んだんですね。結果的にイベントは大成功でした。そしてその時に、自分の姿を見て、「自分も何かに挑戦しよう」と思われた方がたくさんいたんです。

ある方は、ご自分でイベントを主催される予定で、開催の日まで川に向かってご自分の想いを叫んだり、またある方は、お住まいの近くの駅でパフォーマンスを始められたり。

自分は半分勝手に叫んでいただけなんですけど、自分の行動で人に少なからず影響を与えることが出来ると知り、その時は本当に驚きました。

それから2ヶ月を経る間に、会社で合宿をしたんです。合宿で社員全員と話し合ったんですけど、改めて自分たちが挑戦する姿を伝えて行こうということになり、渋谷駅前で朝礼を始めることにしたんです。立川の時は1人でしたが、今度は社員全員で朝礼をやっています。

2、朝礼を始められた時に、苦労されたことは?

8月17日に始めたばかりです。苦労と言えば、ものすごく緊張することですかね。立川の時よりも、いろいろな方に遭遇します。茶化されたり、注意されたり。日に日に緊張を増して行く感じです。随分精神的にも鍛えられますね。

3、朝礼を続けて行く上で、大変なことはありますか?

1人で立川で1ヶ月やっていた時は、1度もなかったのですが、渋谷ではご指摘を頂く時があります。

「お前らの想いを勝手に叫ぶのはいいけど、それでうるさいと不愉快な思いをしている人間もいることを忘れちゃいけない!」というお言葉を頂いた時もありましたし、

「うるさいとか止めろと言われることもあると思う。でもそういう声に、耳を貸してはいけない。若者はそれくらいがいいんだ!がんばりなさい!」というお言葉を頂いた時もありました。

いろいろなご意見を頂きながら、この挑戦をやり続けます。1人でも多くの情熱家を輩出することが、我々のミッションです。この挑戦も、人の心に火を灯す行動と信じてやり続けて行きます。

4、路上から見える景色から、不況や不景気を感じますか?

まだ始めたばかりなので、良く分かりませんが、世の中に元気がないのであれば、やはり、我々の出来ることで元気をお伝えしたいと思います。どこの会社も不況・不景気で将来に不安が絶えないと思います。我が社も小さい会社で、正直いつどうなるか分からない状態の連続です。

でも、先が見えなくても、自分が出来る挑戦は続けて行きます。自らの情熱を燃やして、1人でも多くの人の情熱に火を灯して行きます。今が不景気であればこそ、出番だと自負しています。

5、今後の活動の展望について教えてください

株式会社情熱は、企業の『採用』と『育成』を行っています。8月より『ドリームカンパニークラブ』という100名以下の中小企業向けの研修サービスを始めました。

中小企業は人材の育成をしたいと思っても、時間にもお金にもゆとりがありません。そういう企業のために、定額制で何回でも何名でもお受け頂けるカリキュラムを組んでいます。『ドリームカンパニークラブ』はきっと中小企業の皆さんに、良い学びの機会になると思いますので、より多くの方に知って頂けるように、がんばって行きたいと思います。

そして、とにかく1人でも多くの情熱家が、会社から組織から、そして日本から輩出されて行くように、日々、情熱を伝え続けて行きたいと思います。

『実直』いう言葉が相応しい水野氏。朝礼を行うことについて日々葛藤も感じながら、それでも多くの人の情熱に火を灯したいと叫び続けています。株式会社情熱、4名の小さな会社ですが、毎日一丸となって朝礼に臨む姿に、気持ちの良いものを感じました。

<株式会社情熱ホームページ>

<日本の中心で「夢」を叫ぶ 朝礼>

毎週月~金曜日 渋谷駅ハチ公口 8時~